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イケブクロ〜カブキチョウ捕囚所 イケブクロに着くと目に見えて本営の方は大騒ぎだった。大量のマガツヒが抜き取られていく…。こんな中、入って行って大丈夫なんだろうか。 マントラ軍本営の入り口で意外な人物に出会った。 シブヤで別れたっきりになっていた千晶だ。俺が決闘裁判で勝ったことも知っていた。 …こんな、悪魔だらけの所をよくひとりで…おれも悪魔なんだが。 千晶は静かに話し始めた。 「この世界の決まりごとに従う事にしたの」とか言い出す始末だ。 千晶は強い力を持った選ばれた者によって築かれた楽園「ヨスガの世界を」創世するのだと言う。意思は固いみたいだ。 「コトワリによって創世する力」…それがなんなのかまだ解らない俺には千晶の誘いをすぐに受ける訳にはいかなかった。 …道はどこかで重なっている、か。 俺はただ、黙って千晶を見送るしかなかった。崩壊前の世界に未練を強く残しているのは俺だけじゃない筈だ。勇だって…。 …そうだ、まだ地下牢に勇が居たんだったな。 地下牢へ降りるとすぐに勇とかちあった。 ニヒロ機構であった事を知ると、今度は噂に聞いたマネカタのところへ行くと言い出した。なんでもそいつはカブキチョウ捕囚所にいるのだと言う。 少しでも可能性のある方へ行くとか言っていたが何の可能性なんだ? あいつは千晶と違って周りに流されるところが俺はあんまり好きじゃないな。 いいさ、俺も好きにやらせてもらうさ。 ゴズテンノウの居城は崩壊寸前だった。奴は全身のマガツヒを抜き取られて朽ちていった。 …哀れな。混沌の世界を築くとか息巻いてた割にはあっけなかったな。 ゴズテンノウの間を出るとトールが待ち構えていた。 マントラ軍はナイトメア・システムによって崩壊したことを奴は解っていた。「真の強者のみが生きる世界」を求めて旅立つ事を俺に伝えに来たみたいだった。 …「コトワリ」か。理想や理念みたいなもののことなのかな? マントラ軍が勢力を失ったせいもあってか、新宿方面に道が開けた。 勇の言っていたマネカタのことも気になる。俺はカブキチョウ捕囚所に足を向けた。 カブキチョウ捕囚所はひっそりとしていた。どこにマネカタ達が捕らわれているのか。 …? マネカタ達の意識が「助けてくれ」「蜃気楼の中に捕らわれている」みたいな事を言っている。 奥へ進むと1体の悪魔が鏡のようなものに向かってブツブツと独り言を言っていやがった。見れば何かを使ってその中に入って行くじゃねーか。 どうも中ではマネカタ達を拷問して楽しんでいるらしい。 …なんて陰険なヤローだ。 待ち伏せして「ウムギの珠」を奪ってやった。これで蜃気楼の中に入っていけるらしい。 蜃気楼の中は確かに拷問所だった。マネカタ達が貼り付けにされたりしてマガツヒを吸い取られている。穴を掘って逃げ出そうとしているマネカタもいた。そいつに声を掛けると掘っていたスプーンはポッキリ折れてしまった。 そのマネカタは俺に非難の声を浴びせるとガラクタ集めのマネカタも捕まっているからスプーンを貰って来いと言い出した。 …何もスプーンで掘らなくとも。 そうは思ったがしぶしびガラクタ集めのマネカタを探し出し、「首狩りスプーン」を譲り受け、穴掘りマネカタにくれてやった。そいつはあっという間に底をぶち抜き逃げていった。 …蜃気楼からは出られないだろうに。 うざい仕掛けをくぐりぬけ、ミズチをぶちのめすと蜃気楼は晴れ、捕まっていたマネカタ達もゾロゾロと現れた。 その中に「フトミミ」という名の予知力を持ったマネカタが居た。 そいつは俺がここへ来る事もこれから起こる事も少し先までは見えるのだと言う。ギンザでひとりの男が俺を待っている、と教えてくれた。きっと聖の事だろう。 そして勇もここに捕まっているらしい。 …つくづく運のない奴だ。 |